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探し人 2 ページ6

母「ライブハウスなんて興味なかったでしょう。あなた倒れてから変。理由を聞かせて。」

前世で好きだった人達に会いたいなんて言えるわけもない。
そもそも倒れた時から変だと思われているなら、おかしくなったと思われるだけだ。
黙っていると、父親が助けてくれた。

父「まあまあ、エレクトーンも習い始めたし音楽に興味が出てきたんだろう。お母さんが行かないならお父さんが行こう。」

そんな純粋な動機じゃない。
そんな動機なら、探すためにあちこちライブハウスを廻ることは出来ない。

『あの・・・会いたい人達がいるの。』

両親は驚いた顔で私を見た。

『路上ライブをしてて・・・すごく好きになったんだけど、今はライブハウスでやってるみたいだから、場所が分からないから探したいの。』

ただ、Re:valeに近づいて、悲しい出来事が少しでも軽く出来たらいいと思っている、所詮ただの自己満足だ。
おこがましいのも分かっている。
でも未来を知っているのは私だけだから。

両親は納得してくれた。
ライブハウスへ入る。

ドアを開けると誰もいなかった。
まだ三時半。仕方ないかもしれない。
でもドア開いてるなら誰かいるよね?

ふとステージを見ると、ドラムなど物の配置が記憶と似ているのに気づく。
まあでもよくあること、と視線をずらせば、左奥にエレクトーンがあることだけが違和感だった。

【この違和感は、前世の記憶からくるものなのかな?でもそんな気がしない。】

フラッと吸い寄せられるようにエレクトーンへ近づく。
触れようとしたその時だった。

?「まだ開演三時間前だよ。」

お店の人かな?
見たことない人が、何で子供がここにいるんだって目で見ている。

母「すみません。ちょっと人を・・・」
『あの、これ弾いてもいいですか?』
母「A?!」

母親の言葉を遮る。
弾いてみれば違和感の正体が分かるかもしれない。
店の人はビックリしている様だけど、右手を差し出し、どうぞ、と言ってくれた。
いすに座り、ドキドキしながらエレクトーンに触れる。

弾きたい曲は何故か決まっていた。

前世の記憶を思い出してから、何度も弾いたゼロのDis one。
弾きすぎてアレンジも加えたりするのが楽しくて、もう鍵盤を見ないでも弾ける。
アレンジもゼロの世界観を壊すことのない程度に。

全てを弾き終えてもなお、魂がエレクトーンにある気がして呆然としていた。

パンパンパンパン・・・!!

一人の拍手が聞こえて現実に戻された。

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ミズ ミズ(プロフ) - 竜胆さん» はじめまして竜胆さん。そんな風に言ってもらえて嬉しいです♪ありがとうございます! (2019年1月8日 6時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - はじめまして、竜胆と申します。mizさんの作品を読ませていただいてすごく私好みで面白いです!これからも頑張ってください。 (2019年1月7日 18時) (レス) id: 44c2af5b7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miz | 作成日時:2019年1月3日 11時

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