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探し人 ページ5

次の日、MRIとか色々検査して、結果は後日と言われて退院することになった。
せっかく仲良くなったのにと言って、しょんぼりしている陸を天がなでる。
天は私を見ると、一切れの紙を渡してきた。

天「Aさん。これ家の電話番号です。もしお見舞いとか会いたいとかあったら連絡して下さい。両親も是非って言ってます。入院してるのとか分かるし、陸が喜ぶから。」

『ありがとう天くん。私も携帯持ってないから・・・はい。これ家の電話番号ね。何かあったら連絡してね。私も仲良くなれて嬉しいよ。』

私は手帳のメモに自宅の電話番号を書いて破って渡す。

『天くんはしっかりしてるね。でも、たまには誰かに甘えてもいいんだよ。覚えていてね。』

天はメモを受け取りながら、目を大きく見開いてビックリしている。
しばらくして、つぶやく様な小さな声で、ハイと照れたように返事してくれた。

この先の事を考えると、色んなものを背負ってしまう天は、仲間が出来るまでは甘えたくても甘えられない環境にいたんだと感じていた。
・・・というか、一度だけお話した二人のご両親が、天はしっかりしているから安心だとか頼ってる感じが分かったので、小学生にそれはないんじゃない?と思っていた。

前世の私の娘は、小学何年生になっても甘えん坊で苦労したけど、本当は天だって甘えたいはずだ。
天の側にも甘えられる人が出来ますように、そう願いながら病院を後にした。


それからは多忙だった。
まずは鍵付きの日記帳に、アイナナの時系列にあったこと、誰が何を言ったかとか覚えてることを全て書き出した。
思い出すたびに書き加えていくけれど、意外とあやふやで覚えていないことが多くて大変だった。
三冊にもなった。

エレクトーンも習う事になった。
陸のお見舞いには、1ヶ月に一回位の頻度で行く。
その一方で、学校の先生とエレクトーンの先生に、最近人気が出てきたインディーズがいたら教えてもらっていた。

気付けば12月になっていた。

万さんと千が出会って4〜5ヵ月。さすがに売れてきている頃だろう。
もう母親と何件目か分からないライブハウスへ入っていく。
今まで何度かライブハウスへ行った。
全てRe:valeはうちではやってないという返答があった。
その中の一件の店長さんが、もしかしたらいるかもと教えてくれたのがここだ。

親に、初めてライブハウスへ連れて行ってほしいと言った時は、少し厄介だった。

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ミズ ミズ(プロフ) - 竜胆さん» はじめまして竜胆さん。そんな風に言ってもらえて嬉しいです♪ありがとうございます! (2019年1月8日 6時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - はじめまして、竜胆と申します。mizさんの作品を読ませていただいてすごく私好みで面白いです!これからも頑張ってください。 (2019年1月7日 18時) (レス) id: 44c2af5b7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:miz | 作成日時:2019年1月3日 11時

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