付き合わない理由〜万side〜 ページ30
千に二年位前、Aのこと本気なら女癖悪いのなんとかしろと言ってから、千は徐々にだが付き合う女の子の数が減った。
それで自分は特別だと勘違いする子も増えたが、最近・・・というか、ファンレターに感動してから、ほとんど彼女を作るのはしなくなった。
Aもそれは気づいているはずだ。
目の前で繰り広げられる千とAの攻防を見ながら俺は思った。
【でもAには好きな人がいる。】
多分俺の勘が外れていなければ、相手はキャプテンだ。
キャプテンの話があがると、心底嬉しそうにしている。
Aがどこでキャプテンを好きになったとか関係性は分からないから確証まではないけれど。
そして千は、それに気づいていない。
Aが意を決したように真っ直ぐ千を見た。
あ、ヤバい。Aが千に、自分には好きな人がいることを言おうとしている、会話の成り行きからそんな気がした。
「A、それはまだ言わない方が・・・」
俺が止めようと椅子から腰をあげたのを千は見たが、Aは気にせず続けた。
『私には好きな人がいるの。だから千とは無理。』
俺は額に手を当て、また椅子に座る。
千が俺とAを交互に見た。
千「万は知ってるの?まさか万と付き合ってる?」
「えっ?なんでそうなるんだよ。」
『違うよ。万じゃない。・・・ってか万、いつ私に好きな人いるの気づいたの?』
「ああ、三周年ライブの日、ステージで気づいた。」
簡単に白状すると、Aは真っ赤になった。
ちょっとかわいいと思ったのは、千には内緒にしよう。
ステージ?と怪訝そうな千に、三周年ライブの日Aが変だったのを言うと思い出したようだ。
恥ずかしそうに自分の耳をふさいでうずくまっているAを、そのままにし、俺は続けた。
「Aは客席の一点見たまま、俺たちが楽屋で見た以上の笑顔を向けたんだよ。」
『うぅ・・・はずかしい・・・』
千「Aに・・・好きな人・・・」
どうせこの話をするならライブ後とかなにもない日が良かったけど、タイミングもあるし仕方ない。
千は放心していたけど、しばらくそっとしてあげよう、そう思った。
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ミズ ミズ(プロフ) - 竜胆さん» はじめまして竜胆さん。そんな風に言ってもらえて嬉しいです♪ありがとうございます! (2019年1月8日 6時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - はじめまして、竜胆と申します。mizさんの作品を読ませていただいてすごく私好みで面白いです!これからも頑張ってください。 (2019年1月7日 18時) (レス) id: 44c2af5b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年1月3日 11時