万の上京 ページ22
年明け三が日をすぎた頃、三人で初詣に行った。
万が卒業したら上京すると言う。
万は進学しないことで親と揉めたらしいが、私は多分進路を考える大分前の時点で上京するのは決めていたんだろうと思っている。
千を想って今まで言わなかったんだろうな･･･
万「あっちに拠点があったほうが活動しやすいだろ。終電逃したら泊まっていけばいいし。Aは女の子だから、そういうわけにいかないけど。」
『そうね。いよいよエレクトーンいらないよね。』
万「それがRe:valeだからいいって言ったろ。大体Aも都内の高校受験するって言ってただろ。」
『私今年受かるかな〜』
千「え？Aも上京するの？」
『来年ね、来年。』
私が進路を決めたのは、作曲する事を決めてからだった。
本当は、二人がアイドル活動に路線変更を決定する時にRe:vale脱退を考えていた。
仲良くなれたのだから、これからは友達やファンとしてRe:valeを見に行けばいい。
そしたらファン仲間として百と仲良くなるんだ！という計画をしていた。
･･･我ながらあざとい。
けれど千も万も、私が二人の後ろでエレクトーンをするという変わったスタイルを提案してきた。
どう見えるか、どうすれば見ている人に問題なく受け入れられるか、たくさん話し合った。
結果私はRe:valeを続けることになった。
それからは万に作曲の基本とか色々教わった。
少しずつ理解は出来るけど、まだ作曲はしていない。
二人が上京するのは分かってたから、都内の音楽学校を探した。
音楽で有名な大学付属高校で、芸能活動にも理解がある学校だ。
千「遠くに行ったら今みたいにすぐに会えない。」
分かりやすくショボンとしている千を見て、万と私は目を見合わせて笑った。
万「たった一年だろ。絶対デビュー出来るようにするから。」
『そうそう。私もまだ一年は、こっちにいるし。』
万に作曲の基本を教わる時に、二人で話をしたことがある。
千は音楽で食べていくことなら出来るよね、と。
そのために何が出来るのか。
万はスケジュール管理、企画、金銭契約の条件、人脈作り諸々において秀でていた。
とても真似できるレベルではない。私に出来るのは手伝いくらいだ。
なるほど。人員が少ない小鳥遊事務所で有能ぶりを発揮して働けるわけだ。
と思って、何だか寂しくて泣きたくなった。いや、泣いていた。
万「大丈夫。Aがいて助かってるよ。」
私が泣いた理由を勘違いした万が、そう言って私の頭をなでた。
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ミズ ミズ(プロフ) - 竜胆さん» はじめまして竜胆さん。そんな風に言ってもらえて嬉しいです♪ありがとうございます！ (2019年1月8日 6時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - はじめまして、竜胆と申します。mizさんの作品を読ませていただいてすごく私好みで面白いです！これからも頑張ってください。 (2019年1月7日 18時) (レス) id: 44c2af5b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年1月3日 11時
