未完成な僕ら ページ18
万の友達から、学園祭でアイドル出演して欲しいとオファーがあった。
その日は私は学校があって、二人のステージは見に行けないし演奏も出来ない。
曲を三人で収録したものを学園祭で流してもらって、それに合わせて歌とダンスをするらしい。
ということは、未完成な僕らの完成も近づいているし、アイドルに路線変更も近づいているということだ。
エレクトーンは必要なくなるかもしれない。
本来Re:valeはデュオだ。
でも曲の完成が楽しみで仕方ない。
楽屋で万が言ってた学園祭のパンフを見ながら鼻歌を歌う。
頭にあるのは前世でみた、Re:valeが学園祭で歌う姿。
それがいけなかった。
何だか視線を感じて顔をあげた。
千と万がこっちを見ていた。
『えっ？何？』
何があったんだろ？
と思う間もなく、二人が急に距離を詰めてきた。
千「今の･･･未完成な僕ら？」
『えっ？･･･えぇ?!げ。』
完全な無意識で歌っていたらしい。
青ざめて言葉を失った私をおいて、千と万は盛り上がっている。
万「良いじゃないか今のサビ！なんでAが作曲できるの今まで言わなかったんだよ！」
千「ほんと、今までのより凄い良い･･･ムカつく。なんで黙ってたの。」
どうやら歌っていたのはサビの部分だけらしい。･･･作曲？
『いやいやいや！出来ません！作曲なんて出来ません！』
千「万、じゃあサビマエとか、こうしたらどう？」
万「いいな。じゃあこうしてサビ･･･うん。いいんじゃないか？」
二人はギターで音を確かめている。
『ちょっと聞いて！二人とも私の話聞いて！作曲出来ないからね私！』
万「はいはい(←聞いていない)あれ？ここのサビこうだっけ？･･･なんか違うな。」
千「こうじゃない？･･･うん。こうしてこう･･･あれ？ここは？」
あぁでもないこうでもないとギターを弾きつつ話しているが、サビの途中で止まる。
自分たちで考えるより、気に入ってくれたらしい。
そりゃそうだ。旧Re:valeとして完成された未完成な僕らなのだから。
二人が私を見る。
やめて。その目で見ないで。
お願いの視線をイケメン二人に送られるのは辛い･･･ってか、この二人の圧、怖いんだもん。
幸か不幸か歌詞は口にしていない自覚はある。
【あーもう転生が出来るなら10分位時間巻き戻して･･･】
だけど、そんなことは叶わない。
私は諦めて二人に言った。
『分かった。鼻歌でいいなら歌う。』
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ミズ ミズ(プロフ) - 竜胆さん» はじめまして竜胆さん。そんな風に言ってもらえて嬉しいです♪ありがとうございます！ (2019年1月8日 6時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - はじめまして、竜胆と申します。mizさんの作品を読ませていただいてすごく私好みで面白いです！これからも頑張ってください。 (2019年1月7日 18時) (レス) id: 44c2af5b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年1月3日 11時
