アプローチ 2 ページ16
『まぁ、私も千のこと嫌いじゃないよ。』
さっき千に言われたお返し、という風に答えた、つもりだった。
千「じゃあ付き合おうか。」
『は?』
千からその言葉が、まさか自分に向けられるなんて想像したことがなかった。
ましてや自分が気になるのは百であり(いやまだ出会ってないけど。早く出会いたい。)千の好きなタイプは心も体もいい女なはずだ。
それに未来の千は意外と好きな方だけど、今の女癖が悪い千は、ちょっと・・・いやかなり問題だ。
【いや、これは多分からかってるだけだ。】
そういう千も前世で知っている。
からかわないで下さいと言ったら、残念ではなさそうな表情で、なんだ残念とか言うんだ、きっと。
千「A?」
考えている間に、いつの間にか千が距離を詰めていた。
思わず、うわっとのけぞる。
千「なに?僕に見惚れてた?」
『いや、それはない。』
被せるように即答すると、千は左手を口に当て、くくっと笑う。
千「即答しすぎ・・・」
え、そこ笑うとこ?
笑いの沸点は昔から低いらしい。
千「それで?付き合うんでしょ?」
なんで断られると思ってないのか、大変疑問である。
でも聞いてくるだけましかなと思う。なにせ相手は千だ。
『付き合わないよ。本気じゃないでしょ。』
千「本気だと言ったら?」
『ない。好みじゃないでしょ。千が付き合う人みんなキレイな人だもん。ちゃんと鏡見て言ってるし安心して。』
千「鏡・・・?」
千が驚いた顔をしている。
断られると思ってなかったのか、意味が分からないのか・・・
自分が良い女でもなく、容姿が悪いのも十分すぎるほど分かっている。
だからとは言わないが、Re:valeになってから、ファンの子達に嫌がられているのも知っていた。
AだけRe:vale辞めて。
二人と仲良くしないで。
鏡見てる?
直接面と向かって言ってくる人はまだいないものの、千と万がなるべくいないときに、私に聞こえるように言っている。
初めから言われるだろうなと思っていたし、自分でもきっとそう思うのが分かるから、覚悟の上だったけど意外と辛い。
別にどっちも恋愛対象ではないのに。
いちいち訂正したり話しかけるのも色々面倒くさい事になりそうなので黙って放っておいている。
実害がなければ良い。
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ミズ ミズ(プロフ) - 竜胆さん» はじめまして竜胆さん。そんな風に言ってもらえて嬉しいです♪ありがとうございます! (2019年1月8日 6時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆(プロフ) - はじめまして、竜胆と申します。mizさんの作品を読ませていただいてすごく私好みで面白いです!これからも頑張ってください。 (2019年1月7日 18時) (レス) id: 44c2af5b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年1月3日 11時