彼氏に冷たくしたら、負けじと冷たくされたんだが【鬼滅の刃】

16話 ページ21

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『炭治郎！今日も甘味処行かない？』








いつも通り、炭治郎を甘味処に誘い出す




今日の炭治郎は縁側に腰掛けて何処か遠くを見つめていた









竈門｢…今日は行かない



ここでゆっくりと話さないか？｣








『…うん 勿論いいよ』








炭治郎が今にも消えてしまいそうな程儚く見えた






無理に甘味処に連れ出して消えてしまうなら、このまま炭治郎と共に居た方が良いに決まってる









竈門｢…善逸とはどうだ？｣







『……は』








え？炭治郎…何て言った？





炭治郎から話題にしてくるなんて予想外だった





いつも私から守ってくれたから…炭治郎も気にして欲しくないんだと思ってた









『…別に なんともないよ





きっと私は善逸の事好きじゃなかったんだよ






……きっと そうなんだよ…』







そう自分に言い聞かせた




だってそうしないと諦めなんてつかないから





私には炭治郎がいるから…









竈門｢………駄目だ｣






『え？




…何が？』








炭治郎に睨まれながらそう強く言われた




…初めて炭治郎に睨まれたから尚更怖い









竈門｢…なぁ A





俺は君が好きだ








でも…俺はAの逃げ場なんかじゃないんだぞ？｣







ﾄﾞｸｯ…






心臓が嫌に脈打つ






竈門｢…Aが善逸を好きになった時、どうして俺じゃないんだろうって思った




どうしても取られたくなくて…





善逸に取られた時も奪い返してやるって…自分のものじゃないのに勝手にそう思い込んでた





でも、Aが今こうして身近にいて分かったんだ｣







『…』






竈門｢俺は長男だから……我慢しなきゃいけないんだ





でもどうしても我慢がきかなくてAの認める限り近くにずっと寄り添った





Aの近くにずっといた俺が言うんだ



Aのことを…俺じゃ虜にできないんだ




Aが俺を大好きだって気持ちは言葉は同じでも俺との重みが違う






だから駄目なんだ 善逸のことを諦めないでくれ…









間違いない 俺では君を幸せにはできない…｣






切なそうに笑う炭治郎




その言葉の全ての覚悟と重みがひしひしと伝わってきた









竈門｢……A 最後のお願いだ









俺を…振ってほしい｣









覚悟を決めた赤い眼を前にした私にはその頼みを了承する他なかった

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