彼氏に冷たくしたら、負けじと冷たくされたんだが【鬼滅の刃】

14話 ページ17

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ずっと暗示をかけ続けてきたせいで意識しなくても良い程になってきた頃








Aと善逸の間に亀裂が入り始めていた









『炭治郎！甘味処行こう！』







毎日のように声をかけられるになった








話を聞いてみると、善逸が禰豆子に甘々で相手にしてくれないらしい








泣きそうな表情のAを前に、俺の心の奥底に閉じ込めた筈の感情が錠を破ろうとしていた








駄目だ それだけは…




俺は長男なんだから




これくらい我慢できないなんて禰豆子に呆れられてしまうぞ…









暗示をかけても膨らんでいく好意









そしてあの日…









Aに『炭治郎の好きな人の話聞きたい』と悪気も何も無いいつも通り可愛らしい笑顔で言われた







俺の中の好意は膨れに膨れ上がって溢れ出したんだ









竈門｢すきだよ A




善逸と恋仲になる前からずっと｣









言葉にした瞬間ようやく気づいた





好きになってはいけないと思ってる時点でもう手遅れなんだ、と







本当に俺はいつも気づくのが遅い







全ての事が手遅れになっている






でも俺はAの幸せが1番だから






例え結果は失敗に終わっても、Aが笑ってくれればそれだけで俺は笑顔になれるんだから






だから早く…断ってくれ









『期待…しても…いいんじゃないかな…？』








この応えを聞いて俺は何処かホッとしていた






人の幸せを願いながらも自分の幸せを願うなんて…俺は皆が言う程きっと優しくない








Aからは寂しさを埋めてほしいと、そう言われた







せっかくの機会はどうしても活かしたくて








夕食を食べさせたりAと共にいることで寂しさを埋めようとした








でもやはり善逸と衝突があるとすごく切なく悲しい匂いがして…






俺じゃ無理なんだよ







今だってそうだ







Aが風邪で寝込んでいる部屋に向かうと、中からどうしようもない悲しみの匂いがした







Aが善逸と何かあったのだと思い、Aの顔を覗くとボロボロと涙を零していた








その後｢抱き締めて｣とせがまれ、俺はそっと抱擁した






どれだけ強く…優しく抱き締めようとも






どれだけAも強く抱き締め返してくれようとも









やはりAの寂しさを埋められるのは善逸だけなんだ







お願いだから善逸…






早く俺から奪い返してくれよ









…長男ムズい

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