彼氏に冷たくしたら、負けじと冷たくされたんだが【鬼滅の刃】

9話 ページ12

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炭治郎…





炭治郎…何処…？





炭治郎…








『炭治郎…ｯ』








居間に行っても縁側に行っても炭治郎の姿はなかった







屋敷の中を走り回る









ふと、外を見るとどしゃ降りの雨が降り注いでいた









『炭治…郎…？』









炭治郎が外にいる筈ない







こんな雨の中好き好んで外に出る人じゃない








分かっているのに…どうしても炭治郎に会いたくて…









こんな涙で濡れた見窄らしい顔をどうにか誤魔化したくて…








私は外へと足を進めた









『…冷たい』








折角家の人が用意してくださった浴衣も雨で濡れる







全てを洗い流してくれてる気さえした









『炭治郎…何処にいるの？』








ずっとずっと探してるんだよ？








『…ｯ』







また…見捨てられたのかな









善逸が私を見なくなった理由なんて、魅力が足りないから







飽きちゃったんだよね









自分のせいだと分かっていながらも｢善逸が悪いんだ｣と人に擦り付けてきた









『こんな汚い私を……愛してくれなんてもう言わないから…ｯ』









せめて…せめてさ……









『傍に……いてほしいんだよ…ｯ』









その場にしゃがみ込み、地面に向かって涙を流す








今泣いたところで地面にシミなんて出来ないんだから誰も気づかない









｢…そこに居るのはAか…？｣







あぁこの声…









『炭治郎…遅いよ…』ﾍﾗｯ






笑いかけると、炭治郎は私に駆け寄ってきてくれる





…雨なのに躊躇しないんだ




…変なの








竈門｢…ｯなんでこんな所に居るんだ…！｣





炭治郎が私を強く強く抱き締めてくれる




…炭治郎の匂い 落ち着く






『炭治郎…探してて』









竈門｢Aは馬鹿なのか！



俺がこんな雨の中外に出る筈ないだろう！？｣







うん…ごめん 分かってたよ








『えへへ…




雨に濡れたい気分でさ…』







竈門｢ｯ…風邪引いちゃうだろう？｣







『その時は…炭治郎が看病してくれる…？』









竈門｢…はぁ…君は本当に…




人の気持ちを引き出すのが得意なんだな…｣








"すまない…Aと入れ違いで湯浴みをしていた"と言いながら、私の頭を撫でてくれた








その温もりが気持ち良くて…






私は炭治郎の腕の中でゆっくりと目を瞑りそのまま意識を手放した

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