ユンギのお気に入り (ページ21)

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テヒョンさんは部屋に入ってくるなり

私の正面まで来ると

じーっとひとの顔を覗き込むようにして

「キミ、だれ…？」って。

しかも、真顔で。

これはこれで、すごい圧。

変な汗が全身からぶわぁっと…

って、ちょっと近すぎやしませんか。

「ねー、誰？」って、

なんかグイグイくるし

『あ、あの、ち、近いです』

「おい、テヒョン！」

「ん？」

ユンギさんの一声で

テヒョンさんが離れて

やっとまともに息が吸えた……。

と思ったのもつかの間、

「ねーこの子、ユンギヒョンの彼女？」

「『は？』」

……あ、ハモった。

「…なんでそーなんだよ、」

「だってユンギヒョンが作業部屋に女のコ連れ込んでんのって初めてじゃん。笑」

初めて…？

私が？

「な、なんだよ…。」

『いえ、別に』

まだなんにも言ってないのに

なぜか睨まれた私。

「ねーねー、」

「うるせぇよ、ってかそいつは俺のじゃねーし。」

「じゃ、誰の？」

…っ、" 誰の " って

残念ながら誰のものでもありません…。

「あのな、あ～もうめんどくせぇ。用がねぇんならとっとと出てけよ」

「なんで、来たばっかりじゃん！ねー？」

ねー？と言われても…

ごめんなさい、私も同感です。

今はなんというか、キャパオーバー…？

できれば違う日にお目にかかりたかった。

「あ、そっか！やっぱり俺邪魔だった？笑」

「だから違うって言ってんだろーが！」

「ふーん、な～んだつまんないの」

テヒョンさんはユンギさんの強い返しにもめげることなく

あろうことか、ソファに腰を下ろし

スマホ片手にくつろぎ始める…。

なんかこの人…、ある意味強い…。

「なー、テヒョン」

「んー？」

「お前、まじで帰れよ」

「え、なんで？」

「今ちょっと取り込み中なんだって、」

「……あ、じゃあ、やっぱり？笑」

「あのなー」

なんかすごい勘違いをされてるんじゃ、

そんなんじゃ全然ないのに…。