ユンギのお気に入り (ページ17)

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「ヒョンがココにいろって言ったろ、」

……そうだけど、……そうなんだけど、

そうもいかないっていうか……。

「あのさ…、アンタの気持ちも分からなくないし、まずは謝んのが先決だって考えんのも常識かもしんねぇーけど…」

「あそこまで言われて、悔しいとか思わねぇの…？」

……だって、私は……、私には…

何も、……ない。

なんにもないんだもん……。

どんな罵声にも

嘲笑うかのようなせせり笑う声にも

ずっと、耐えてきた。

耐えるしかないんだって、

そう自分に言い聞かせてきた…。

この世はなんて不条理なんだろうって

自分の人生を悲観的に思うときもあったし

枕に顔を埋めて泣き叫ぶ夜もあった。

だけど、仕方がない。

それが、……私なんだから。

なんの取り柄もない、私。

耐え凌ぐしかない、私の人生。

だけど

ユンギさんに言われて

改めて思った……。

やっぱり、…私、

『……悔しい、です』

ぽろっとこぼれた、本音…。

ほんとはずっとそう思ってた

自分の気持ちに蓋をして

誤魔化して生きてきたから…。

そんな私に、ユンギさんが……

「だったら…謝る必要なんてねぇーだろ」

そう言ってくれて

「それと、」

……それと？

「もっと自分を労わってやれよ、な？」

そう言って

哀しそうに微笑むから

また、涙が溢れ出そうになった……。