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「えっと、…なんにも聞いてないの?」




なんにもって、初耳ですけど?





昨日のこともあって


足取りはかなり重かった…。


それでも行かなきゃって、


大学が終わったあとバイトにきてみれば


驚きの展開が私を待ち受けていた…。






「てっきり話は通ってるんだとばかり思ってたんだけど…」




……え、そ、それって、




『ク、クビって、ことですか…!?』



「いや、違う違う。Aちゃんはよくやってくれてたよ。でもさ、向こうがどうしてもって言うもんだから…」



『向こうが…?』




「…うん。こっちも急にそんなこと言われても困るし理由は何なんだろう…って、どうしてAちゃんなんですかって訊いたら…」



『きいたら…?』



「 "俺のお気に入りだから" って…」





………はい?





「ま、そーゆうわけみたいよ?」






そーゆうわけって、


……や、ちょっと待って!


待って待って、" お気に入り" って?


逆に、怖い。







私のどこに気に入られる要素があったの?






だって、私は迷惑しかかけてない。






それに昨日だって…、






あれ?なんか私、分かっちゃったかも…?


昨日言ってた "「覚悟しとけよ」" と "「そのうちな」" の意味が…




あれは、もしや…、脅迫!?




偶然にもその場に居合わせた私にバラされまいとして…


かなり深刻そうだったし


私に聞かれて気まずそうにしてたもの…。








そうだ、そうに違いない。








だってそうでしょ?


私は無関係なわけだし


"「さっきのはなし聞いてなんか気付いた?」"


そう言って私がどこまで理解したのか誘導させといて


最後にあんなふうなことを言ったんだ…。









「だから詳しくは向こうに聞いて?」





…………え。





「今日までご苦労さま。」





えーーーっ!?

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作者名:はな x他1人 | 作成日時:2019年11月19日 19時

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