ユンギのお気に入り (ページ5)

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「さっそくで悪いんだけど、頼むわ」

大学を出てすぐに

"「急ぎの仕事があるから」" って事務所から連絡があって

自宅であるアパートへ戻らず直で来てみれば

荷物をおろすよりも先に

一枚の紙切れを渡された…。

急ぎの仕事、って…コレ？

ずらっと箇条書きに並べられた

買い物リスト。

「コレ使っていいから」

と、渡されたのは一枚のクレジットカード。

「んじゃ、よろしく」

肩をぽんっと叩かれ

「あ、そうそう帰りはタクシー使っていいからな」

「あと、ちゃんと領収書ももらってこいよ？」

これも仕事のうち…。

「おい、雑用！返事は？」

『……はい、了解です』

でもこれって

こんなの…

私じゃなくても、、、

「おいっ、分かったら走る！」

『っ、…はい！』

いけないいけない。

余計なこと考えちゃダメだ！

だって…

私はただのバイトで、雑用係。

言いつけられた業務は無条件で受け入れるのが

雑用としての心得…で、いいんだよね…？

"「なにあの子笑」"

"「またこき使われて可哀想～。笑」"

聞こえてきた声に背を向け

言われた通りダッシュで来たばかりの道を戻る。

もしも私が

あの女性(ひと)たちみたいにキレイだったら

もしも私が

あの女性(ひと)たちみたいに…って

やめよ…。

タラレバ言ってたって現状は何も変わらない。

余計に惨めになるだけだ…。