はじめまして、ただいま！【獄都事変】《３》

成虫 ページ16

麻生side

「あ、ぼく……気を失って……あ、
佐疫くん、斬島くん…！大丈夫……？…げほっ」

あれ？可笑しいな……
咳が、とまらない

「麻生！？大丈夫！？ちょ、ちょっと
あの、任務は完遂したから、急いで帰ろう！」

「では、麻生は俺が担ごう」

「担ぐ…って…げほ……どん……な……」

「だいぶ弱って来てる……斬島思いっきり
肩に乗せるのはダメだからね？」

「わかっている、助けられた身だからな」

そういって、ふわっと僕の体が浮いた
……………浮いた……？

「！？！？！？」

「では、いくぞ」

「あはは、そうだね、なるべく早く……」

あ、あのぅ……これ……
お姫様抱っこ………

あうあああ！？何これ！？
凄く恥ずかしいのですけど……！！

ばたばたしたら押し付けられました
しょぼん……

---------------------------------------------------
や、館につきました………

「ゔっ……げほっ……」

「抹本ーっ！！！いるーっ！？」

「い…いるよ……って麻生！？どうしたの！？」

「それが……」

佐疫くんが、その状況を話す
ああ、怒られちゃうかも……………

「…麻生？君、その任務に行く前に
2人の亡霊を呼ぶために自らを犠牲にして
大怪我してたばかりでしよ？直ぐに何かを
しようとしたらその身体はまだ脆いんだから…」

「えっ！？それってどういう……」

「どういう事だ？」

「あ…そうだなぁ…なんて言ったらいいか……
麻生は頑張って成長して、今は成虫の
なりかけ…1番脆い時期、蝉って分かる？蝉も蛹から
出て来たばかりのとき、羽が弱くて飛べないんだ
だから天敵に食べられる可能性がある…それほど
弱い…言っちゃえば途中だからだけど…
麻生？君はその経過地点…だから安静に
して居れば大丈夫だよ、時期に楽になるから」

ま、マシンガントーク…………
というか、そういう、ってことは…つまり……

「僕じゃあ、安静にして居ればまた強くなる？」

「安静にして居れば…ね？」

そっか…
じゃあ僕…

何時もよりも普通にして居ればいいんだ
前みたいに無理しなくてもいいんだ

自分の力を理解して、無理なく戦えばいいんだ…！


ああ、ああ嬉しい

ぼくはぼくだがぼくはだれ→←如何にモ…

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す