針、89本。 ページ39
「集合!」
穴原先生の指示で、スパイク練習をしていた全員が整列。
視線が痛いしちょっとだけ怖い。
「この強化合宿中、特別サポートメンバーとして青葉城西高校のマネージャーさんに参加してもらうことになった。プレーのことでもなんでも、アドバイスが欲しければこの機会に聞いてくれ」
あ、私そんな扱いだったんだ知らなかった。
いかにも自己紹介をしろ、という雰囲気に負けておずおずと声を出す。
後輩相手に何ビビってんだって?
ホームの部活とは勝手が違うしビビりもする。
「力になれるよう頑張ります、よろしくお願いします」
まばらに響く拍手。指示が飛んで練習が再開された。
…あれ?
「オレンジくん?」
「じょっ、女王様っ…?!」
「その呼び方まだ続いてたんだ…バレーやらないの?」
パッと見たところ特に注目したい1年生は伊達工の黄金川くん、白鳥沢の五色くん、角川の百沢くん、烏野のオレンジくん、メガネくん、そしてうちの2人と言ったところか。
それなのになんでオレンジくんはスパイクの列に並んでない?
「俺っボール拾いなんで! じゃあ失礼しゃす!」
「え、は? ボール拾い?」
たたっと駆け出して、確かに宣言通りボール拾いに専念している。
なんで…?
ここには呼ばれたからきてるんじゃないの?
「アイツを練習に参加させる気はねぇよ。お前が見るのはそっちじゃない」
「す、すみません…」
後ろから鷲匠先生に怒られてしまった。
そりゃあ、練習してる方を見なきゃいけないのはそうだけど。
…どうりでおかしいと思った。
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作者名:観月 | 作成日時:2021年1月8日 22時