約束。2【及川徹】 (ページ34)

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針、84本。ページ34

形式的には部活を引退した今、バレー部の3年生と関わる機会は少なくなってしまった。

柄にもなく寂しい、とか…、

「なあなあA、これどーすんの？」

思ってたり…、

「先にこっち教えてAセンセー、俺中間やばいから…！」

したんだけど…、

「…引退前と変わらず…むしろ前よりベタベタしてきてくれて嬉しいよ私は…」

「え？何？」

「なんでもない…。で、どこだっけ…」

昼休み。いつも通り友達とお弁当を広げようとした時、教室に入ってきた高身長男子4人。

強制的に引っ張られてきたのは3年6組。及川の教室。テスト期間中に陣取る一角に座らされた。

そこからは言うまでもなく勉強教えてコール。花巻と松川からの熱烈なアピールに負けた。

「花巻と松川はいいとしても、毎日顔合わせてる及川と岩泉まで来る必要ある…？帰ってから教えてあげるよ？」

「ノリで来た！」

「勉強しろよそこは」

花巻のキレキレのツッコミ。ダメだ頭が追いつかない。諦めて教えることに専念しよう。

…一瞬だけ、マイペースに課題を進める及川を盗み見る。

岩泉から特大の爆弾を落とされてから、自分から聞くわけにもいかないなか、及川からは一言も進路についての話は出てこない。

…岩泉には言って、私には教えてくれないんだ…。

性別の違いはあるものの、同じ幼なじみとしては少し…、いや、かなりショックだ。