約束。2【及川徹】 (ページ4)

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針、54本。ページ4

「はぁ〜っアイス最高っ！」

「ジジくせぇな…」

「ピチピチの18歳にそゆこと言わないで？」

部活も無事終わり、京谷のところにも通い、長かった一日が終わる。

ちなみに私と岩泉は今日から及川の家へ連泊する。私の両親も、岩泉の家も、及川の家も、示し合わせて旅行に行ってしまった。

毎年のことながら自由すぎる三家族に愚痴のひとつでも言ってやりたい。

恐ろしい量を吸い込む男子高校生の胃袋を満たすご飯を作るのは決まって私なのだ。勘弁して欲しい。

「なんかめちゃくちゃ鼻歌聞こえる」

「うるせぇ」

一番風呂は私、次に岩泉、そして今最後に及川が入浴中。
一足先に岩泉とふたりでアイスを開けてしまった。

風呂場の方からはご機嫌な及川の鼻歌が聞こえてくる。

やがてドライヤーの音にかき消され、エアコンの効いたリビングへ入ってきた。

「ちょっと！！アイス食べるの早くない？！」

「待ちきれなかったごめん」

「思ってないね！！棒読みだもん！！」

「何時だと思ってんだ及川、近所迷惑だ騒ぐな」

首からタオルをかけたまま、冷蔵庫に手を突っ込んでカップアイスを引っ張り出す。蓋を開けるとチョコのいい匂いが。

一口食べた及川の顔が幸せに包まれる。やっぱりお風呂上がりのアイスは最高。

「…さ、アイス食べたら勉強しなきゃね」

私のその言葉に、一瞬肩を揺らして固まった2人。

岩泉家からも及川家からも勉強に関しては耳にタコが出来るくらい頼まれているので…。

「…夏の課題、どうせ溜めてるんでしょ…？」

「俺は定期的にやってる」

「おっ俺だってちゃんとっ、」

「毎年その言葉聞いてるけど計画的に進めてあった試しがないよね」

アイスから一転、勉強という地獄へたたき落とす。