約束。2【及川徹】 (ページ15)

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針、65本。ページ15

クラスメイトが部活で、旅行で、黒く焼けた肌が目立つ中、バレー部の塊は色白でなんだか心許ない。

部活漬けと言っても日に当らないから当たり前なんだけど。

昼休み、私はなんとなくまだ休み気分の雰囲気が漂う2年生の階を訪れてた。

目的は2年5組。矢巾。別に2年なら誰でもいいんだけど、のちのちのことを考えて…。

「っわ、ごめんなさ…って京谷？」

諸連絡のプリントを見ながら歩いていたからか人とぶつかってしまった。誰かと思ったら仏頂面の京谷。

「何してんすか」

「ちょっと矢巾に用事」

横を通り抜けたら、何故か後ろから着いてきた。これは上からプリント読んでるな。
…なんか悔しい。

「教室戻らなくていいの？」

「……」

「もー、反抗期か！」

2年生の中でも怖いで有名の京谷。後ろにピッタリつかれてると視線が痛い…。

やっとたどり着いた5組。ちょうど教室から出てきた矢巾を捕まえる。

「Aさ…と、お前何してんだよ」

「まあまあ。これ2年生に回してもらえる？」

「あ、わかりました」

一瞬喧嘩になりかけたけどよく抑えた矢巾。さて、私の仕事もとりあえず終わったし教室に帰ろ…。

「…京谷？」

「あ？」

あ？、ってなんだよ仮にも先輩なんだが。

「どこまでついてくるつもり…？」

「……」

1組は反対方向。階段を上がる手前でやっと話しかけられた。
都合悪くなると黙るのやめなさい。

「チッ」

「あ、また部活でね」

置き土産に舌打ちして帰っちゃった。
仲良くなるにはまだ程遠いかぁ…。