角名が溺愛してくれるってよ。

2月の角名。 ページ32

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角「…やっば」

『…あんま見んといて？』

角「無理…可愛い…」


今日は倫太郎とデートに来た。場所は動物園。
動きやすく且つ可愛い…を選びに選んだ服。褒めてもらえてよかった。


『なぁ、そろそろ行こ？』

角「そうだね、じゃあ、」

『うんっ』


差し出された手を素直に握った。
他に人知り合いもいないし、今日くらいは素直になろう。


『…ねぇあの子倫太郎に似とらん？』

角「どこが？」

『んー、目が細いとこ』

角「ちょっと」


気だるそうに寝転がっていたキツネを指して笑うと、ちょっとムスッとしてしまった。


角「…あそこにいる子はAに似てる」

『え、あのたくさんのキツネに囲まれてる子？』

角「そう。で向こうで喧嘩してるのは侑と治」

『ほんまやそっくり』


キツネの檻の前だけで何分居たことか。みんなの話で盛り上がっていたら時間なんか気にしとらんかった。


角「ほっぺに着いてる」

『え、嘘、取って』


お昼ご飯にと買ったドーナツ。粉砂糖が着いてしまったらしい。…自分やとわからんな…。


『へ、』

角「…あま、」

『ちょ、なにしとん、』


確かにぺろっと舐められた感覚。
一気に顔に熱が集まる。


角「無防備なのもそうやって食べてる姿も可愛いね」

『は、』


よほどキツネが可愛く見えたのか、キツネモチーフのパンを頬張っていた角名。
…だめだ、かっこよく見えてしまう。


角「ダメだ可愛い」

『ぅ、もう、勘弁してや、』


動物園デートに集中出来ん…。



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