#１３ ページ14
北side
「俺がチームの“頭”やとしたら、Aさんは“軸”やな」
目は口ほどに物を言う、とはまさにこのこと。
どういうことかと、彼女は訴えてきた。
無論、口に出してなどいない。彼女の表情がわかり易すぎるのだ。
「Aさんは、常にチームの真ん中に居る人や」
「……えっと、それはつまり……？」
休憩時間。
寝転がっている人、足を投げ出して座る人、動き足りずに走り回っている人……。熱気が少し落ち着いた体育館で一人、難しそうな顔をして首を傾げるその姿は少し面白い。
そんなこと言ったら怒るんだろう。
安易に想像できるので口に出すのはやめた。
代わりに、自分の素直な感想を話す。
「躓いても、コドモでも、大丈夫や。傍に居るのは俺だけやない。みんな周りで見てくれとるよ」
“オトナ”になりたい。
信介くんのように、なりたい。
Aさんの瞳は俺を捉えて離さなかった。
素直に捉えられたまま、その言葉をやんわり否定する。
「俺は“コドモ”のAさんも好きや」
益々眉間の皺を深くした彼女を見て、これ以上言うのはやめた。
それこそ今にも頭がパンクしてしまいそうだったから。
案の定目を回すAさんが苦し紛れに言う。
「つ、つまり、私はバカなままでええってこと……？」
彼女なりに考えた結果の回答だろう。
言いたいことは大方間違いではないが、訂正を入れておく。
「そのまんまでええってこと」
笑いを零しながら言えば、すぐに笑顔になるAさん。
そう、そのままでいて欲しい。
真夏の太陽よりも明るい笑顔や、普段の印象と違う静かで丁寧なプレーや、好きなものにひたむきに頑張る姿……。
そんなAさんに、俺は憧れたのだから。
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観月(プロフ) - 倫太郎さん» ありがとうございます…！そう言っていただけると本当に嬉しいです！！頑張ります！ (2020年12月8日 17時) (
レス) id: d67a3f96a5 (このIDを非表示/違反報告)
倫太郎(プロフ) - コメ失礼します！いつも観月さんの作品、楽しく見させて貰ってます！これからも頑張って下さい！ (2020年12月8日 10時) (レス) id: e7965c6e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：観月
| 作成日時：2020年11月27日 22時
