ほんなら結婚、してしまおうか。【北信介】

いざ東京 ページ10

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『やばいっ、なんか楽しくなってきた！』

北「落ち着け」

侑「はしゃぐAさんも可愛ええなぁ…」

北「侑？」

侑「いっ、いえ、」


春高開会式の前日
新幹線の中から見える窓からの町並みが変わる度に心が踊る

私と信介、そして通路を挟んだ反対側が侑と治の座席


北「A、着いてからの打ち合わせするからちょっとだけ集中してくれや」

『あっごめん』


借りた体育館への移動、民宿に着いてからの動き、明日のこと…
日程表を見つめながらああじゃないこうじゃないと言い合う


『消灯の確認はどないしよか』

北「２年が問題やな」

侑.治「「なんでですか？！」」

『元凶はあんたらやからな？』

北「…俺が行くわ。なんなら２年の部屋で寝てもええけどなぁ…？」


すっと目線を横に動かした信介の動きに合わせて双子が揃って窓の外を見た

…面白いなこのシンクロ


『ほんなら私１年生見るね』

北「うん、頼む」

『あー、今年こそマネージャー勧誘しよ思っとったのになぁ、また一人部屋やわ』

北「ゆったりできてええのとちゃう？」

『寂しいからね？！ 恋バナとかあるやん盛り上がりたいやん！』

北「…言っとくけど寝不足なんてなったら承知せんぞ」

『わかってます大丈夫です』


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侑「うおお！！ サムっ、探検しに行こ」

北「……」

侑「…と思ったのは気のせいかなぁ〜、ははは…」

『侑、馬鹿やなぁ。そういうんはバレずにやらんと』

北「A」

『冗談です』


練習を終え、お世話になる民宿に到着
先にお風呂に入りにいったみんなを見送って私はおばちゃんとご飯作りに取り掛かった


「さぁ、気合い入れて作るよ！」

『はいっ！』


いい匂いにつられてきた治がまず食堂に入ってきた

目を輝かせて正座待機しておられる


治「お腹空きました」

『あとちょっとでできるからみんな呼んできてくれる？』

治「うす」


目の前に並べられた料理にヨダレを垂らす部員たち
ガツガツと平らげていく横で信介はゆっくり箸を勧めていた


『…どお？』

北「めちゃくちゃ美味しい。ありがとな」

『えへへ、よかったぁ、そう言って貰えて嬉しいわ』

北「…可愛ええなぁもう…」

『？！』



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