顔面にトス喰らったら。【宮侑】 (ページ48)

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顔面トス*゜ページ48

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「…お？」

昼休み
中庭にある自販機へ飲み物を買いに来たら

談笑スペースで喋る治くんと侑の背中を発見した

…後ろ姿までそっくりやな、髪色同じにしたらいよいよ見分けつかなくなりそう

__ガコンッ

そんなことを考えながら、ぐんぐんヨーグルトの紙パックにストローを刺す

なんや、やけに楽しそうに話しとるやん
いつも喧嘩しかしとらんイメージなのに

風向きが少し変わって、本当に偶然、侑の声が風に乗って運ばれてきた

「__でな！めっちゃ可愛ええねん！」

__どくっ
心臓が嫌な音を立てた

今すぐこの場から立ち去りたい、のに
足の裏が地面に張り付いてしまったように動かない

風は、容赦なく私の耳に声を届ける

「元がめちゃくちゃ可愛ええのもそうなんやけどな、優しいくてたまに見せる照れ顔がまた可愛くてなぁ…、あ、それに聞いてや」

直感的に感じる
もうこの場から離れろと、本能が言っている

この先はきっと、聞いたらだめだ

侑の声に負けず、治くんの声まで届いてきた

「…あのなぁ、こうしてお前の好きな子についての話聞くのも結構しんどいんやで？」

それだけやけに鮮明に聞こえる

"好きな子についての話"

まるで脳に直接響いているような

そこでやっと私の足は言うことを聞いてくれる

逃げるようにしてその場を去った

…あぁ、最悪

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