顔面トス*゜ ページ42
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"話したいことがある"
佐藤くんからそう言われたのは保健室から出てすぐの事だった
たまたま廊下ですれ違って、大丈夫なん?なんて聞かれて
今目の前にいるのは、緊張した面持ちの佐藤くん
「Aさん、俺、」
…私だって馬鹿やない
「ごめん」
佐藤くんの次の言葉が出る前に遮った
「私は応えられん」
「…そか、ごめんな、」
ああやっぱり
恋って儚いんやな
こんな風に散ってしまうのやから
震える声を抑えながら、佐藤くんは先に教室に戻っていった
あんなふうに、好きな人に好きって想いを伝えられるって言うんは
ほんまに尊敬する
私はビビりで、弱虫で、
…こんなこと考えたってしゃあないよな
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「お、もう大丈夫か」
「うん、お陰様で。制服とか色々ありがと」
「それは友達に言え、運んだのは俺やけど持ってきてくれたんはあの子らや」
「…私てっきり侑が更衣室入ったもんかと、」
「アホ!! んなことするわけないやろ!! 捕まってまうわ!」
…あれ?
なんかいつもの調子に戻った?
「侑、もうイライラしてへんの?」
「あ? …あぁ、あれは、まぁ…。もうええんや」
珍しく煮え切らない態度だけど、特に気にすることもない
だってこうして話が出来ることを切に願っていたのだから
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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月27日 9時