顔面トス*゜ ページ36
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昨日は全く寝れなかった
隣の席なのに、一言も喋れてない、目も合わせて貰えない
どんどん、私の心を抉っていく
「A、体育やぞはよ行かな」
「…ああうん、待たせてごめんな」
友達と更衣室に向かう
過度な寝不足からか頭が痛い
ズキズキと痛みを訴える頭を無視して私はグラウンドへ向かった
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「うぇ、気持ち悪、」
無視なんかせん方が良かった
やっぱり最初から見学させてもらえばよかった
三半規管が仕事をしとらん
後悔後先に立たず
グラウンドのすみっこ、大きな木の木陰で蹲った
日の照るグラウンドの真ん中では、男子も女子もサッカーを楽しんでいる
私の視線は、
「…なんや、バレーやなくてもかっこええやん…、ずるいわ、」
一際目立つ金髪に
もう、意味わからん
こんなごちゃごちゃした感情棄ててしまいたい
苦しい
辛い
好き
「なぁ、大丈夫か?」
「…佐藤、くん」
私の前に影が落ちた
痛む頭にムチを打って顔を上に向けると目の前に立っていたのは佐藤くん
「保健室行った方がええんちゃう?」
「いや、平気や、」
「でも辛そうやぞ。ほら、」
「ッ!」
佐藤くんの手が、私に伸びてくる
___嫌や、触らんで
私の喉は、どうしていつも肝心な時に声を発してくれないのか
「…おい」
代わりに響いたのは、怒気を含んだ低い声
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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月27日 9時