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「ん〜っ…!」
流石人気店
美味しいなんて度合いはとっくに越している
美味しいのに、くどくなく何個でも食べられるような甘さ
「…それ、一口ちょーだい」
「これ? はい、どーぞ!」
私が食べていたレモン味のケーキを指差される
一口大に切って、蛍の口へ運んだ
ぱくっと食らいついた蛍
わかりやすく頬が綻んだ
「美味しいって顔してる!」
「Aに言われたくないんだけど」
「だって美味しいのホントのことだし!」
違う種類のケーキは、お互いに一口ずつシェアをした
さらにいろんな味を楽しめて、お得感満載
私は蛍から、私が取ったものとは別のレモンのケーキを一口貰う
「甘酸っぱくて美味しい!」
「良かったね」
ちょっとだけ苦く感じるコーヒーを飲みながら、少し突き放すように言う蛍
私はそれが蛍の照れ隠しだということを知っている
癖って簡単に変わらない、そう痛感しながらケーキを堪能した
「ねえ、クリームついてる」
「え、うそ、どこ?」
クリーム系のケーキを攻めていた時
私は全然気付かないままケーキを頬張っていたらしい
恥ずかしいからそういうのはもう少し早く言って欲しかったけど…
すっ、と蛍の細くて綺麗な手が伸びてきて、私の頬に着いたクリームを掬って…
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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月27日 21時