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私は咄嗟にスマホを出して、蛍とのトーク画面を開いた
急いで文字を送信する
午前練だったことに感謝しないと
もしかしたら今日会えるかもしれない
『4時くらいになるけど』
すぐ返ってきた返信にもちろんと返事を打つ
烏野は今日は午後練だったらしい
今日、会いたい
たった一言送っただけなのに、蛍は全部悟ってしまったような気がした
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軽く汗を流し、着替えて烏野に向かう
驚かせようと思って校門で待つことにした
4時にはまだ充分余裕がある時間に、烏野高校へ到着した
時折陸上部が走るのを見かける
スマホを見たり、空を見上げたり
そうしているうちに、真っ黒なジャージを着た蛍が走ってきた
「…A?!」
「来ちゃった」
私の言葉に目を丸くして少し笑うと、行こう、と言って歩き始める
ぶらつきながら話を聞いてくれるらしい
「あのね、蛍」
「うん」
「ごめんね、私、蛍の気持ちに応えられない」
心の準備はとっくに整っていた、ような様子の蛍
多少の動揺はあっても、顔に出すことは無かった
「…そっか」
「ごめん、」
「謝らないでよ、なんとなく予想はついてたから」
「え?」
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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月27日 21時