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「んで、あっちが水道ね。万が一の時の保健室は向こうの棟で〜…」

「な、なるほど…」


施設内の説明をされながら、覚と歩く
…私だとは気付いてない、っぽい

そのまま歩いていくと、一際大きな体育館に着いた


「今日はここで試合! じゃああとはよろしく〜」

「あっ…ありがとうございました!」


ひらひらと手を振りながら白鳥沢の輪の中に入っていった覚
私もボトルの準備を始めて、体育館に戻った頃にはアップが終了していた

エンドラインに両チームが整列


お腹の底にずんっと嫌な何かが落ちてくる

英太、覚、そして若の姿が目に入った


ズキズキとうるさい痛みを無視して、紛らわすように大声で青城の応援を始める


試合開始の、合図が鳴った


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久しぶりに見る、若のバレー

助走の音が違う
スイングの音が違う
ボールが床に落ちる音が違う

それに、苦戦している青城


超高校級エース

なんて異名に相応しいプレー


詰まらない点差に、みんなの焦りといらだちを目立たせた

そんな時空気を入れ替えるのはいつも及川さんで


「ハァイ、落ち着いて!」


パンっ
と手を叩く音で、みんなの顔つきが変わる


あぁ


私も出たい



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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月20日 14時

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