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「ただいま」


誰に拾われることも無い私の声は暗闇に溶けた

及川さん、岩泉さんと一緒に帰るのはとても楽しい
部員の話とか、2人の話を沢山聞けて、意外な面が沢山見える

今日は何もする気になれなくて、ご飯も食べずお風呂に入ってぼーっとしていた


「行きたくないなぁ…いっそ仮病とか…いやダメだ…」


部屋のタンスの上で、丁寧に飾ってある写真立てを手に取った

ひとつは、家族の

もうひとつは…

私、英太、覚、そして兄の若が仲良さそうに笑い合っている写真


「…気づかれたらどうしよ」


幸いなことに、あの時の私と今の私では別人と言ってもいいくらい雰囲気も顔つきも変わった

向こうが気付かなくても、私はたぶん動揺する

…大丈夫、もう苗字も変わったんだし、最悪な前は言わなければいい
他人の空似とでも思ってもらえればラッキーだよ

心の中で自分に言い聞かせて、ベッドに寝転ぶ

私は簡単に、夢の世界へと吸い込まれていって___



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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月20日 14時

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