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「ちょっとみんな何騒いでるの、大事な連絡あるから聞いて!」


顧問との打ち合わせで少し部活に遅れてやってきた及川さんに心の底から感謝した

そのおかげで岩泉さんのお説教から逃れることが出来たんだから

わらわらと及川さんの周りに集まって、なにやら書類を配られる


「今度の日曜日、練習試合を行うことが決まりました! 相手は…」


___白鳥沢


その言葉で、みんなの空気がピリついた
もう察したけど、白鳥沢は青葉城西にとって全国への行く手を阻む壁なのか


「ってことでみんな、気合い入れるよ」


いつもより覇気のある部活が始まった
3年も2年も1年も、皆いつも以上のやる気

怪我をしないよう、より一層目を光らせた
何かに夢中になってる時は、他のことへの意識は薄くなる


「…白鳥沢」


掛け声やボールがたたきつけられる音が響く体育館で、私の小さな小さな声は誰に拾われることも無い

無理やり心の奥底にしまい込んだ記憶には、"白鳥沢" の文字が写っていた気がする




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作者名:観月 | 作成日時:2020年9月20日 14時

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