モテると噂の黒尾先輩。

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「黒尾先輩！」


朝イチ
私は3年5組の教室を訪ねた


「お？ どうした？」


窓側の、1番後ろの席から黒尾先輩が来てくれた


「これ、お願いします！」

「…記入漏れは…大丈夫。じゃあ今日からよろしくな、マネージャー」

「頑張ります！」


黒尾先輩に入部届を提出して、晴れて音駒高校男子バレー部のマネージャーになった


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「夜久！ Aちゃんのサポート頼むわ」

「あいよ」


早速教えてもらった仕事に取りかかる
3年生の夜久先輩に手伝ってもらってだいぶ早く片付いた


「めちゃくちゃ手際いいじゃん、俺いなくてもできたんじゃないか？」

「夜久先輩がいてくれたからですよ！」


ボトルやビブスの準備など、仕事の量は多いし大変
知らないことも沢山
高校の運動部ってこんなに大変なんだって痛感した


「実はマネージャーやったことあったりする？」

「えっ、まさか」

「そう思うくらい慣れて見えるよ」

「お邪魔になったりしてませんか…？」

「全然！ むしろめちゃくちゃ助かってる」


休憩時間、夜久先輩に褒められた
すごい嬉しいしもっと頑張ろうって思える

しばらく帰宅部だったけど、バレー部に入部して本当に良かった


「Aちゃん、ちょっと」

「はい！」


黒尾先輩に呼ばれた
何かと思ったら…


「合宿、ですか？」

「連休あるだろ？ あそこでやるらしいんだよね。合同合宿とかじゃないから、Aちゃんはいつもの仕事に加えてご飯作ってもらうことになるけど…」

「な、なるほど…でもリエーフ使っていいんですもんね？」

「ばんっばん使え」


黒尾先輩と2人でくすくす笑う
先輩と私にこき使われるリエーフを想像して面白くなってしまった



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