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「あ、赤葦先輩」

「え、なに、改まってどうしたの」

「トスって、どうやったら上がりますか…」


とある昼休み
私は赤葦先輩にしか聞けない、そう思って2年生の教室を訪ねた


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「あぁ、今年の1年生って女バレ少ないんだ…」

「はい、それで運営とかいろいろ手伝ってと言われてバレーに出ることになったんですけど…」


球技大会
それは一年の中でも特に目立つイベント
私ももちろん、何かしらには出ないといけないんだけど…


「クラスにバレー部の子が1人しか居なくて、私にトスをあげて欲しいと言われてしまって…」


でも自分はみんなと比べても上手いという訳では無いから
どうしたら上手なトスができるか教えて欲しいです

と赤葦先輩のところに助けを求めにきた


「じゃあさ、帰り少し遅くなるかもしれないけど部活終わり一緒に練習する?」

「…え、いや、わざわざ先輩の手を煩わせるわけには」

「口で言うよりやってる時にいろいろ教えた方が身につくし俺は構わないよ?」

「…じゃあ、よろしくお願いします…! 迷惑ばっかりかけてごめんなさい…」

「迷惑だったら提案してないから余計な心配するなって」


そうしてその日から、私は部活終わりのわずかな時間で、赤葦先輩との練習に全体力を捧げることになった



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作者名:観月 | 作成日時:2020年8月14日 15時

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