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「なんかボールの扱いは慣れてるような気がするんだけど」

「あ、もともと私バスケやってたんです。ただ私のクラスのバスケチームは、バスケ部だけでピッタリ組める人数だったので…」

「へー、意外。じゃああんまりこの練習苦労しないかも」


部活終わり
赤葦先輩はさっそく、フォームの基本から意識することまで詳しく教えてくれる


「…そう、手は三角形作るように。そんで膝を…」

「えっと、こんな感じですか…?」

「んー、もっとこう…ちょっとごめん」


全ての基本は形から、というタイプの赤葦先輩
まずはフォームの徹底指導を受けているんだけど
赤葦先輩が私の後ろに回って、その状態から手の位置やら膝の落とし方やら、なんかまるで後ろから抱きしめられてるみたいに教えられてめちゃくちゃ恥ずかしい


「形はそれ。覚えた?」

「な、なんとなく…」

「じゃあ次はボール上げてみようか」


しっかりと弧を描く軌道と、ぎこちなく返る軌道が交互に続く
その途中でも、赤葦先輩は私に指示を飛ばしてくれる


「膝、もう少し曲げて。ボールは飛ばすんじゃなくて押し出すように」

「はいっ!」


言われたことをひとつずつ、丁寧に


「…だいぶ良くなったと思う。今日はここまでね」

「はい! ありがとうございました!」



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作者名:観月 | 作成日時:2020年8月14日 15時

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