･ 39話 ページ39
------------------
監督 ｢Aさんはここに立って。ギョンスくんはここ｣
｢はい｣
『はーい……』
もうすぐ、始まるんだ。
そう思うと、私の心臓はさっきよりももっともっと速くなった。緊張しすぎだろ、オイオイ。
と自分に言い聞かせてみるけど、効果は全くない。あぁ。急に雨でも降らないかなぁ……なんて縁起もない様な考えに突っ走ってる自分。最低だな。
私たちの様子を、ソヨンさんが見ている。その目はやっぱり心配そう。そうだよね……。なんか、本当に申し訳なくなってきたよ、私。
人の彼氏も同然の人とこんなことするなんて。
こんな風に、仕事に私情を挟んでしまう私は、きっとまだまだ子供なんだろう。
仕事だよ、これは仕事。だから私が変に荷負うこともないし、私が変に緊張することでもない。
ギョンスさんだってほら、あんなに平然としているじゃな……
｢……｣
『ギョンスさん……』
｢……っ、｣
私が不意にギョンスさんの方を見ると、ギョンスさんはいつも通り平然とした顔。だけど私にはすぐに分かった。
ギョンスさんが照れているのを隠そうとしているのが。今だってほら、耳が真っ赤だよ。
私がじーっと見ていることに気がついたギョンスさんは、口パクで｢ ミ ル ナ ｣ と言って顔を両手でおおった。
何この生き物。可愛いんですけど。
ギョンスさんも私と同じぐらい緊張しているのかな。ふふっ、それだったら面白いや。
『くっ……』
｢！｣
『えへへっ』
｢笑うな｣
あらあら、ギョンスさん。照れてるくせにやけに強気じゃないですか。
｢でも……そういうAさんだって、さっきまで恥ずかしくてたまらないって顔してましたけど？｣
『……っ、』
くそ、バレていやがったか……。
｢……｣
『……』
ああもう、いいや。うん。どーでもいい。
些細な争いだよこれ。
『もうやめましょ。こんな風に言い合っててもお互い恥ずかしいだけですし……』
｢そうですね。……でも僕の方が緊張してると思います。抱きしめる側なんで｣
『ベテランは緊張しないんですよ、ギョンスさんはまだまだですね』
｢なんかその言い方、不快感を覚えました｣
『あははっ、ごめんね』
あぁ。こんな時に湧き出てくる感情。
それはやっぱり、"好き"で。
どうしたらいいんだろう、私。
壊れないかな、私。
ｿﾖﾝ ｢…………。｣
------------------
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
[EXO] ド さ ん と 私 の ｢ 浮 気 者 に は 制 裁 を ｣ 計 画 その２ [EXO] ド さ ん と 私 の ｢ 浮 気 者 に は 制 裁 を ｣ 計 画 【EXO】 単推しでごめんなさい。２ 【D.O】もっと見る
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
巫づき。(プロフ) - トモさん» 2を見てもらえば分かる通り、訂正済みです。 (2017年6月11日 19時) (
レス) id: e0acf4d077 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 不躾で恐縮ですが、DDとは｢誰でも大好き｣の意味ではないでしょうか…？ (2017年6月11日 17時) (レス) id: 86b404f4e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：巫づき。 | 作成日時：2017年4月15日 19時
