･ 17話 ページ17
------------------
『あの……』
｢……っ、え？｣
私がそっと震える声で声をかけると、振り返ったのは綺麗な顔立ちの人。少し太めの眉に、ぷっくりとした赤い唇。
目が大きくて、その鋭い目は私を一回捉えると離さなかった。
やばい。なんだろう……。なんて言うか、この人、不思議……。
私は今にもこの人の魅力に引き込まれそうだった。でも、声をかけておいて固まるなんて失礼なことは出来ない。
そう思い、私は力いっぱいの声を振り絞った。
『あの、今日からお世話になります、ヒロイン役のあの、はい、七瀬 Aです……』
この人の顔を見たら私はまた固まってしまうだろうから……ずっと俯いてしまったけど。
でも噛まないだけ良かったと思う。
こんなにイケメンを目の前にして噛まないなんてすごい、私。と心の中で自分を褒めた耐えた。
｢あ……、そうなんですか？｣
『っ、はい』
いやそうって言ってるじゃないですか。
もしかして私があまりにも普通人オーラ出しているからわからなかった感じですか。そうですか。そうですよね。
｢てっきり、"追っかけ"かと……｣
『ええっ!? 私韓国に来たばっかりなんで、あなたの事っていうか……その、韓国の有名人全然知らないです!』
｢え、でもライ……｣
『え？ らい？』
｢……なんでもないです。ド･ギョンスです｣
『ギョンスさん……よろしくお願いします！』
｢……僕のこと、記憶にありませんか？｣
『え？』
｢本当に、ないんですね｣
『え？ あの……』
｢すみません。独り言です。無視して構わないですよ｣
『あ、はい……』
変なの。
｢台本は覚えたんですか？｣
『あぁ、まだです。一昨日もらったんで……。頑張ってます』
｢この話の……ヒロインは、親の事情で韓国に来た歌うことが好きな日本人のセナです。あなたにピッタリですね｣
『え……まぁ、歌うことは好きですけど、上手いかって言われたら、下手ですよ』
｢そんなことないでしょう｣
『いやぁ、ギョンスさんは聞いたことないからそんなこと言えるんですよ』
｢……まぁ、そうですね。……Aさんは、好きな歌手とか居るんですか？｣
『いますよ〜』
｢韓国の？｣
ギョンスさんは嬉しいことに私の好きな話題に話をふっかけてくれた。
『チャンヨルさん。EXOの、チャンヨルさんが好きなんです』
私がそう言うと、ギョンスさんは目を見開いた。
------------------------
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
[EXO] ド さ ん と 私 の ｢ 浮 気 者 に は 制 裁 を ｣ 計 画 その２ [EXO] ド さ ん と 私 の ｢ 浮 気 者 に は 制 裁 を ｣ 計 画 【EXO】 単推しでごめんなさい。２ 【D.O】もっと見る
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
巫づき。(プロフ) - トモさん» 2を見てもらえば分かる通り、訂正済みです。 (2017年6月11日 19時) (
レス) id: e0acf4d077 (このIDを非表示/違反報告)
トモ(プロフ) - 不躾で恐縮ですが、DDとは｢誰でも大好き｣の意味ではないでしょうか…？ (2017年6月11日 17時) (レス) id: 86b404f4e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：巫づき。 | 作成日時：2017年4月15日 19時
