カップラーメン ページ10
薮side
薮「〜♪〜♪」
鼻歌を歌いながらひかるの家へ向かう。
もう夜中だから人通りもないし怪しまれない。
あれから結局依頼内容は『一緒に手を組んである組織を潰してほしい』ということになった。
そんな組織無いけどね。
まぁその依頼内容が書かれてる依頼書は昨日ポストに入れたから、もう見ているだろう ということで、俺も同じ依頼書を持ってはるばる来たんだ。
ひかるの住んでるアパートについて、ひかるの部屋のドアノブをガチャガチャする。
今日は仕事だろうか。それとももう寝ているのだろうか。
...ガチャリ
お、開いた。
薮「ぼろいねぇー。」
挨拶替わりにそう言って、俺は部屋に入った。
部屋の電気はついていない。真っ暗な中寝室へ行く。
薮「いない...仕事か。」
ベッドにひかるはおらず、俺は電気とテレビをつけた。
ラッキー、サッカーやってる。
ひかるが何時に帰ってくるのかなんて知らないけど、暇だからなんとなくキッチンを漁る。
薮「カップラーメンあんじゃん。」
意外。ひかるもこんなの食べるんだ。
毎日自炊してるのかと思ってた。
湯を沸かして3分待って、サッカーを見ながらラーメンを食べる。
こんな時間に食べたら太るだろうな とも思ったが、こんな時間に食べるラーメンは超うまい。
ひかる遅いなーなんて思ってると、玄関から音がした。帰ってきたんだろう。
光「ただいまー。」
薮「おー。おかえりー。」
俺が目に入った瞬間、露骨に嫌そうな顔をした。
なんだよ。傷つくじゃねぇか。
光「なんでまたいんだよ...。」
えー?薮くんには聞こえませーん。
つーかそれより今サッカーいいとこなんだよね。
薮「おっ きたきたきたきた。いけっシュート!」
おっしゃ決めたぁー!
そこでちょうど試合終了のホイッスルが鳴り、俺も仕事をしようとひかるのいるキッチンに向かった。
そこには冷蔵庫を漁ってるひかる。
あー。あれ、ひかるの晩ご飯だったのかな。
悪いことしたなー なんて思いながら近づくと、ひかるのほっぺたに血がついてるのがわかった。
薮「ひかる。血ぃついてる。」
光「うわ。ほんとだ。きったね。」
ひかるはほっぺたに手をやった時についた血をみてそう言い、冷蔵庫をしめた。
光「シャワー浴びてくるわ。」
薮「おう。ごゆっくりー。」
俺はそう言って見送った。
・
141人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みー | 作成日時:2017年3月2日 16時