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血の気がない ページ45
中島side
伊『やぶ、裕翔、聞こえる？
そこから二つ先の角を右に曲がったらひかるがいる。
なにがあるかわからないから気をつけてね。』
耳からいのちゃんの声が聞こえてきた。
一応銃を手に持つ。
そしてその角についた時、薮くんが壁にそっと身を潜めて様子を伺う。
薮「...！ ひかる！」
薮くんが走り出した。俺も慌ててあとを追う。
そこには、
壁に背中を預けて気を失ってる光くんと、仰向けで倒れているガタイのいい男。
倒れている男の首に指を当てると、もう死んでいた。
薮「ひかる！ひかる！」
薮くんはお腹と足から血を流す光くんを揺すっていた。
だけど光くんは目を開けない。
中「薮くん、早く家に連れて帰ろう！
知念が手当してくれるよ！」
俺はそう言い、止血だけでも、と着ていた薄手の羽織を破いて光くんに巻き付けた。
顔も手も、血の気がなく冷たい光くん。
泣きそうになるのをぐっと堪えて、元来た道を走って帰った。
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作者名：みー | 作成日時：2017年3月2日 16時
