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闇に包まれた目 ページ24

薮side



しばらく沈黙が続いたあと、言葉を発したのは俺だった。



薮「ひかるが独学なんて初めて知った。」


光「俺はそんな学校があるなんて初めて知ったよ。」



昼と同様、そう言うひかるの目は嘘をついていない。



薮「俺達はさ、親が殺し屋だったり、そういう環境で育ったからこの道に進んでもおかしくはない訳よ。


でも、ひかるは違うんでしょ?



...なんで殺し屋になったの?」



一瞬、ひかるの眉毛が ピクリ と動いた。



長い沈黙の後、ひかるはこう言った。



光「...俺の親も殺し屋だったんだ。だけど学校の話はしなかった。入れたくなかったのか知らないけど。


俺は親の背中をおってこの道に進んだ。

それだけだよ。」



ひかるはそう言って俺の目を見た。


ひかるは、何を考えてるのかわからない目をしていた。


だけど一つだけわかったこと。



"これ以上なにも聞くな"


ひかるの目は、そう言っているように感じた。




薮「...そっか。ごめんな。時間取らせて。」


光「いや?まだ余裕あるから大丈夫。」


薮「じゃあ俺戻るわ。ひかるも気をつけてな。」


光「おう。」



俺はひかるの部屋からでて パタン とドアを閉めた。


自分の部屋に戻ってベッドに横になる。



結局欲しかった情報はなにも得られなかった。



『...俺の親も殺し屋だったんだ。だけど学校の話はしなかった。入れたくなかったのか知らないけど。


俺は親の背中をおってこの道に進んだ。

それだけだよ。』



ひかるの言葉を思い出す。


あれはきっと嘘だ。



薮「...あんな目をする奴が...何も抱えてねぇわけねぇんだよ。」



ずっと前からたまに見せる、何も映していない、どこか遠くを見ているような 闇に包まれている感じがする目。



俺は、ひかるを殺すために考えてるんだ。全てはひかるを殺すためなんだ。


俺は自分にそう言い聞かせ、胸の中に小さくある感情には気づかないふりをした。




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作者名:みー | 作成日時:2017年3月2日 16時

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