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光side
「やっと...見つけた。」
あの日より随分と痩せこけた叔母さん。
顔は笑っているのに目は笑ってない。
叔「久しぶりに家に帰ったら家の周りに警察がいたんだもの。驚いたわ。」
ゆっくりと近づいてくる。
俺も後ろへ逃げようとしたけど、足がすくんで上手く動かない。
叔「あんたのせいで、恋人に振られたの。」
逃げないと。
叔「あんたのせいで、家に帰れなくなったの。」
早く、逃げないと。
叔「あんたのせいで、ずっと逃げなきゃいけなくなっちゃったの。」
じゃないと──
叔「ずっと会いたかったのよ?」
叔母さんはポケットから銀色に光るものを取り出した。
──殺される。
伊「ひかるっ!!」
どこからかいのちゃんの声が聞こえたと思ったら、誰かに後ろの茂みに引っ張られた。
光「や...まだ...。」
山「しー」
茂みの奥からそっと覗いてみると、叔母さんは俺を見失っているようだった。
山「伊野ちゃんの声で注意をひきつけたんだ。」
光「そんなことしたらいのちゃんが...!」
山「大丈夫。伊野ちゃんもちゃんと隠れてるから。」
それなら良かった。とりあえず安心だ。
でもずっと隠れていられるわけでもない。
光「山田、警察に電話して。
俺今携帯持ってない。」
携帯はたぶんまだ寝室で充電中。
財布だけ引っ掴んで来たから連絡の手段がない。
山「.....おれ、も...」
光「え?」
山「俺も...持ってない。」
.......。
光「なんで持ってないの!?今時コンビニに行く時でも持っていくでしょ!?」
山「だって掃除してる時邪魔だったんだもん!」
こうなったらいのちゃんに頼むしかない。
でもどこに隠れてるのかわからないし、下手に動いたら見つかるかもしれない。
叔「おい!!どこ行きやがったぁ!!」
急に叔母さんが大声を出して、思わず体が跳ねる。
山「大丈夫。場所を移動しよう。」
こくりと頷いて、音を立てないように奥へ奥へと進んでいく。
叔「早く出て来い!!お前の母親の分も気が済むまで痛めつけてやる!!」
山「...腹いせじゃねぇか。」
山田がそういった時、パキッと枝が折れる音がした。
山「...やべ。」
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ひかひか(プロフ) - 確かに給料は大事だよ!笑たまたま会っても2人とも人見知りして会話出来なさそうだね笑 (2018年4月26日 7時) (レス) id: 1600da0647 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - ひかひかさん» でもすごい周りに向いてないって言われるの笑 給料がいいってだけで決めてるからしょうがないんだけどね笑 そんな出会い嫌だよ! 普通にたまたまばったり会おうよ!笑 そう!人見知りだから余計つらい! (2018年3月12日 18時) (レス) id: 85a3d61449 (このIDを非表示/違反報告)
ひかひか(プロフ) - 看護系いいねぇ!いつかどこかで会うかもね笑そっか…仲いい子と離れるの不安でやだよね… (2018年3月12日 6時) (レス) id: 1600da0647 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - ひかひかさん» 看護系!大変そうだけどね…。 そっか笑でも私友達少ないから仲いい子と離れちゃうんだよね… (2018年3月11日 19時) (レス) id: 85a3d61449 (このIDを非表示/違反報告)
ひかひか(プロフ) - 何系の大学に行くの?団結力だけは負けないよね笑うん1年に1回のドキドキ感がないからちょっと寂しい笑 (2018年2月25日 17時) (レス) id: 1600da0647 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みー | 作成日時:2017年1月18日 19時