信じたい。信じたくない。

なんで？ ページ7

光side


3年生の男子生徒に言われたことに、そんなわけない。そんなわけない。と、ほぼ自分に言い聞かせて家に帰った。


光「ただいまー。」


シーン……


あれ？おかしいな...。いつもは母さんが元気な声でおかえりって言ってくれるのに。


光「母さーん。いないのー？」


玄関の鍵が開いてたからいるはずなんだけどな...。


光「あ、いた。ねぇ母さ...」


母さんは寝ていた。床で。


光「かあさん...？母さん！！」


口から真っ赤な血を吐いて。


光「かあさ...っ 救急車っ」


すぐに救急車を呼んだ。心臓はバクバクで、声も震えて、涙が止まらなくて、たぶん何言ってるかわからなかっただろうけど、すぐ来てくれた。


病院に着くまで、俺は母さんの手をしっかりと握っていた。


母さん。起きてよ。何も無かったかのように、起きてよ。


そう願いながら。


病院に着いて、先生と話をした。


先「お母さんは、大変危険な状態です。すぐに手術をしても、目覚めるかどうか...。」


なんで...？今日の朝まであんなに元気だったのに。


「いってらっしゃい」って、笑顔で手を振ってくれたのに。


気づけば母さんの眠る病室にいた。


気づけば頬に涙が伝っていた。


光「母さん...起きてよ...。」


気づけば、俺も寝ていた。

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