信じたい。信じたくない。

THE 不潔 男子 ☆ ページ35

光side


光「んぅー...よしっ」


アラームが鳴る5分前に目を覚まし、洗面所に向かって顔を洗う。


そして朝ごはんのトーストを焼いて、その間に卵とベーコンを焼く。


ちょうど焼き終わる頃にトースターがチンッと音を立てる。


トーストにマーガリンを塗って、ベーコンと目玉焼きをのせて、ケチャップをかける。


テーブルにそれを置いて、自分は椅子に座って、いただきます。と言ってからそれを口にする。


そんな、ごく普通の朝。


ただし、今日の俺はいつもの俺とは違う。


食べ終わった食器を洗った後、俺は再び寝室に戻った。


そしてハンガーにかけておいた制服に腕を通す。


そう。今日からまた新しい学校生活がはじまる。


新入生に間違われないかな...。そんなドキドキもある。


そして俺は再び洗面所に向かって手にワックスを塗り、それで髪の毛を丁寧にセットする


ことは無く、ワックスのついた手で髪の毛をグシャグシャにした。


ボサボサになった髪の毛。


目が見えないほど重くした前髪。


そしてメガネ。


どうだ！THE 不潔 男子 ☆



これで目立つことはないだろう。


もう意味不明なことで殴られるのはたくさんだ。


目立っていたことがダメなのなら目立たなけりゃいい。そう思って考えたこれ。


どうせたった1年だ。


友達なんて作る気サラサラない。


この1年は何事もなく過ごしたい。


光「父さん、母さん、行ってきます。」


二人の指輪を握りながら、二人の写真に向かって言った。


父さんの写真は俺の母子手帳に挟まっていた。


なんでこんなところに？とも思ったけど、どうせなら二人一緒の方がいいと思い、二人の写真を並べて飾ってる。


ネクタイが歪んでないか、家を出る前にもう1度確認して、


光「よしっ 行くか！」


俺は家を出た。

転入生→←男ですから

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す