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週末。
間近に控えた期末テストのために、今日は家で勉強中。
「化学ほんと記述式しかないじゃん…」
たまにこうやって愚痴をこぼして。
練習問題を睨みつけながら、重くなりそうな手を動かしていく。
静かな部屋に、カリカリとシャーペンの書きこむ音だけが響く。
＿＿＿＿ヴヴッ。
そんな中、突然混ざってきたバイブ音。
音の正体は、机のすぐ横に置いておいた携帯で。
誰だろう。
気分転換になんとなく手を伸ばして、画面を開く。
大貴
＞英語得意だったよな？ヘルプ！！！
「………、」
しばし文面を眺めると、そっと明かりを消して液晶を下向きに置く。
無視だ。スルーしよう。
付き合うと嫌な予感しかしない。
どの高校も今は期末試験を控えているだろうし。
つまりはそういうことだ。
脳内で素早く決断し、改めて無視を決め込む。
…が。
＿＿＿ヴヴッ、ヴヴッ、
鳴りやまないバイブレーション。
そのせいで携帯の位置も細かに動いている気がする。
「……、」
無視だ。絶対に。心を強く持て、A。
あんなちんちくりんに動かされてたまるか。
＿＿＿ヴヴッ、ヴヴッ、
先ほどの練習問題が比にならないほどの圧で携帯を睨みつける。
「……っ、」
完全スルー一択。それが最善。
わかっている。
＿＿＿＿ヴヴッ。
「……〜っ、」
…わかっては、いる。
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作者名：やぎ | 作成日時：2024年3月7日 15時
