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とりあえず。
事の顛末としては、大貴がバイト先に凸りに行ったら涼介と仲良くなって。
連絡先を交換して繋がりができて。
今に至る…っていうことだよね?





こうして成り行きを知ると、改めて幼馴染のフットワークの軽さっていうかフレンドリーさを実感する。



だって、涼介って心を開くのに時間がかかるはずなんだけど。







涼「悪魔ってなに」


大「言ったら多分俺殺られる」


涼「はあ?大ちゃんさっきから発言おかしいって」







この強気な言い方とか、少しぶっきらぼうな感じ。



すっかり心を許した人にしか見せない姿っていうのをわたしはよーく知っている。


結構高難易度なんだ。涼介のこの壁を破るのって。
よーく知ってるからね、わたしは。





でも今の光景を見る限り、そのそり立つような壁を大貴はものの数週間程度で越えている気がする。
というか、わたしよりも上にいる気がするのは気のせい?




ちょっと腹立つ。
けど、そりゃ男子同士の方が気楽だよね。仕方ないよ、うん。




同性の幼馴染相手に嫉妬なんて、さっきの二の舞だ。
まったく、大貴の思い通りになるんじゃない。自制しろA。







涼「ほら、大ちゃんが変なこと言うからAの顔険しくなってんじゃん」


大「ちげーって、あれはジェラ、」


「だまれ」







隣から余計なことを挟もうとする幼馴染の言葉を否応なく遮断する。
聞こえてるからな、こっちは。ジェラシーって言おうとしただろ。



ジトっとした視線を向けると、不自然に顔を横に逸らされる。
…こいつ。明らかに分かっててやってる。








大「…てか!Aをここに呼んだ本題!な、山田?」








わたしの視線から逃れるようにそう声を張り上げた大貴。
絶対にこっちを見ようとしない。あからさますぎる。







涼「そうだ。こんな話してる場合じゃなかったわ」







助けを求められたような形の涼介だけど、そんな彼は我に返った様子でわたしに向き合う。


そして真面目な表情をつくると、いったん息をついてこう口を開いた。








涼「赤点回避のために俺らに英語を教えてください」




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作者名:やぎ | 作成日時:2024年3月7日 15時

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