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「喫茶店?…って、バイト先に?」
大「そ。Aはそんときいなかったけど」
涼「シフト入ってなかったもんな。びっくりしたよ。突然、来ちゃった!とか言ってさ」
大「ホラー風に言うのやめろよ」
涼「俺からはこう見えたんだって」
仲良さげに話す大貴と涼介。
以前から友達みたいな雰囲気がすでに出てて。
…そうだったんだ。
全然知らなかったや、大貴がバイト先に行ってたなんて。
「じゃあそこで連絡先とか交換したの?」
涼「ん。なんかいろいろ話してたら結構盛り上がってさ」
大「ゲームとか音楽の趣味が一緒だったんだよな」
ああ、ゲームか。
大貴はもちろんだけど、涼介もよく休みの日にやってるとかって言ってた気がする。
確か私があんまり手出ししないタイプのやつだったんだよね、
涼「あとライブ観に行くって言ったら、大ちゃんも同じらしくて」
「……へぇー、そうなんだ、」
間を置いて相槌を打つ。
なんでかって、聞き慣れた愛称が鼓膜を響かせたからだ。
…いま、大ちゃんって言ったよね。
涼介の口から。
何気なく、普通そうに出てきましたけど。
なんかさっきから感じてたけど、もしかして私が想像してる以上に距離が近くなってない?
その時、バチッと幼馴染と目が合う。
大「(嫉妬?)」
口パクでそう伝えてきたコイツ。
楽しそうな余裕のある笑み。
複雑な心境を見破られていたようでムカつく。
から、おもむろに大貴の横に腰を下ろすと。
大「…っいて、!」
涼介にはバレないように、脇腹に小さく肘を入れてやった。
涼「え、なに。どうした、」
「ううん、なんでもない」
大「悪魔だ…」
ボソリと隣から零された呟きは華麗にスルーする。
ほんと、なんて醜い小競り合いをしてるんだろうか。
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作者名:やぎ | 作成日時:2024年3月7日 15時