そして、君のいない8月が来る－JK－ (ページ3)

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3話ページ3

ジョングクが行方不明になったのは、万端高校の夏休みが始まる五日前だった

6月17日。木曜日。

私はその日付をよく覚えている

所属している陸上部のジャージをなくしたと、気づいた日だから

JM「へぇー。Aでも物なくしたりするんだ」

同じ陸上部のジミンが、学校のジャージ姿で朝

練に臨む私を見て、目をすぼめた

JM「めずらしいね。Aって結構物持ちいい

イメージだけど」

地面に座り、足を広げて、ぐぐぐ、と上半身を

倒しながら答える

「うーん。どこでなくしたんだろ…昨日の夜、ジ
ャージ着て走りにいったのは覚えてるん、だ
け、っど」

硬い体をウンウン言いながら倒そうとしていたら、

ジミンが背中を押してくれた

いたたたた

JM「走るって…自主練？」

「っていうか、うーん…ムシャクシャすると走り

たくならない？」

ジミンが察したように苦笑いする

JM「そういやあいつ、今日来てないな」

ジミンの声がやたらと強ばったから、誰のこと

かすぐに分かった

最近ジミンはジョングクと口をきいていない

「そっちのほうがめずらしいよね。ジョングク

が朝練こないなんて」

ジョングクも陸上部で、私が柔軟で唸っているといつもはジョングクが背中を押してくれる

JM「あいつ、なんか言ってた？」

「メールとか？ううん、なにも」

私は首を横に振った

ジョングクはなにかあるときはだいたい私に言伝を頼むけれど、今回はなにも言われていない

JM「風邪かね？」

ジミンが言うのに、私は曖昧にうなづく

その時はまだ、それくらいにしか思っていなかった。