わかりあえるとき ３

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手が震えるほど緊張して、さっきまで思うように声が出なかったのに、オッパと練習しているとリラックスして声がでるようになった。


ちょうどオッパの撮影の順番になってスタッフに呼ばれると、オッパは「頑張れよ？」と、笑顔で優しく頭を撫でてくれた。

私のなかで、最初の怖いイメージが一変した瞬間だった。



ドンホオッパの撮影が始まって、彼女役の女優さんとのシーンを見ていると、演技だとわかっているのに、なんだか複雑な気持ちになる私がいて、そんなモヤモヤした気持ちのまま、自分の撮影に入ったからか


だた、歌った曲が別れの曲だったからかわからないけど、不思議と涙が溢れてきた。



涙を流しながら歌っているのにもかかわらず、カットの声がかからないので私は歌い続けた。

ワンコーラス歌い終わった所でカットがかかって、私は涙をぬぐうとＰＤに「すみません」と頭を下げた。


ＰＤ「大丈夫だよ。顔は出さないから。」


ＳＢ「はい、ありがとうございました。」



私は現場から離れると


ＪＳ「スビナ、今のシーン凄く良かったよ？ 後ろ姿だけなんてなんだかもったいない感じだったよ。」


ＳＢ「何言ってるのよ。 あくまでも私たちはオッパ達を引き立たせるためなんだから。」

と、話していた。



その後の撮影は順調に進んで、気がつけばいつも私はドンホオッパを目で追っていた。

この間まで怖くて話しもできなかったのに…。



人の気持ちって何がきっかけで変わるかわからないよね。




あの撮影から私たちは今まで以上に練習に熱が入るようになった。

どんなに長い練習生生活でも、あんな貴重な経験ができた事でやっぱり諦めたくないと思えた事


練習生の私が言うのもおこがましいけど、いつかドンホオッパ達と同じ舞台に立ちたいと思ったから。





それから数日して、撮影したＶＣＲが出来上がったと連絡が入って、オッパ達と見る事になった。


ジスと２人で部屋で待っていると、オッパ達が入ってきて挨拶をかわす。



ＰＤ「結構良くできたんじゃないかと思うんだ。」



そうプロデューサーが言うと映像が流れはじめた。

確かに私たちは後ろ姿しか映って無かったけど、これが私たち？？

というくらいとても素敵な映像になっていた。


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