キセキ (ページ6)

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Aside

高地から事情は聞いた。
大志が“パパが欲しい”と言ったこと。
風歌は何も言わないけど、自分の父親に興味をもってるだろう、ということ。

「どうしようかな……」

何となく点けたテレビ。そこではSixTONESが曲を披露していた。

「ねぇ、ママ、見て！高地おじちゃん達だよ」
「SixTONESだよ」
「うん、そうだね」

どうするべきなんだろう。
双子に本当のことを伝える、
隠したままにする、
嘘をつく。

本当のことはまだ伝えたくない。
でも、これ以上黙っているのはあまりよくない気がする。
だからといって、嘘はつきたくない。
どうするのが正解なんだろう。

「たいしとふーちゃんはこの6人の中で、1番好きなのは誰？」

頭の中からその話題を消すように、2人に尋ねた。
マスカラを披露しているSixTONES。
双子は同時に、同じ人物を指した。

「ふーはね、この人」
「たいしも」

あぁ、やっぱり。
そう思った。そんなところまて似なくていいのに。

『終わらない夢の狭間を切り裂いた
一筋の真っ直ぐな瞳苦しいほどに胸を貫いた』

ねぇ、大我。

私はどうするべきだと思う？

身勝手だと分かっているけれど、テレビの中で不適な笑顔を見せる彼に、そんな事を思った。

『マスカラ剥がれたまま “あの頃の二人のまま”』