キセキ (ページ4)

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Aside

高地に双子を預けて、事務所にやって来た。レッスン室へ向かう途中、背後から声をかけられる。

「Aちゃん！」

私をちゃん付けで呼ぶので、後輩達だろう。
思った通り、なにわ男子だった。

「おー、なにわ男子じゃん。遅くなったけど、デビューおめでとう」
『ありがとうございます！！』

なにわ男子全員と会うのは久し振りだ。LINEでお祝いのメッセージは入れたものの、やっぱり直接言いたい。

「いや、あの金田一を見て入所したっていうみっちーがもうデビューだよ？私も歳をとるわけだわ」

私は、4代目の深雪を演じていた。あれからもう7年も経つのか。

「いや、Aちゃんもまだまだ若いと思います」
「謙杜の言うとおりです。27歳なんてまだまだ若いですよ」

高橋恭平がそう言った瞬間、空気が凍った。それもそのはず。

「……私まだ、26なんだよね」

あと少しで27だけど。

「え、えっと、Aちゃんはデビューしてから毎年紅白に出場されてますし……」
「ほんまに尊敬します!」
「僕も金田一で山田くんとAちゃんに憧れて入所したんで……」

慌てて他のメンバーが恭平の失言を何とかしようとする。別に、怒ってるわけじゃないんだよ？

「今度、恭平以外ご飯に連れてってあげる」

ただ、少し傷付いただけ。

なにわ男子とはそのまま別れて、レッスン室へ向かった。

もうすぐ秋が終わる。

そういえば、もうすぐクリスマスだ。
今年のプレゼントは何がいいだろう。

※この作品は現在が2021年の11月末という設定です