キセキ (ページ25)

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大我side

Aを見送り、リビングへ戻った。
物の配置や部屋の間取りはAと同棲する前と特には変わっていない。

双子はまだ寝ている。8時になっても起きてこなかったら起こして、とAから聞いている。

風歌「Good morning…ママは？」

妹の方、風歌が眼をこすりながら起きてきた。

大我「おはよう。ママはお仕事に行ったよ。お昼には帰って来るみたいだから3人でお留守番だね」

顔を洗って着替えた風歌は俺の隣に座ると、じっと見上げてきた。何か緊張してくる。

大我「俺の顔になんかついてる？」

そう聞くと、首を横に振られた。

風歌「ふう達と似てるなって」

それは自分でも思う。目元とか口元はAに似てるんだけど、顔のパーツの全体の配置としてはAよりかは俺に似てると思う。まぁ、Aも俺も結構似てるんだけど。

大我「風歌はさ、将来何になりたい、とかある？」
風歌「ふうはママとかパパとかみたいにテレビで歌いたい。おばあちゃんがこの前見せてくれたやつで、ママが白いワンピースを着て、星が綺麗なところで歌ってたの」

白いワンピースで星空の下。JupiterのMVのことかな？
低音から高音まで、Aの広い音域が存分に活かされた楽曲だと思う。

大我「そっか。風歌はママみたいになりたいのか」

アイドルと言っても、いろんな事務所がある。乃木坂46みたいなところに入るもよし、韓国に渡って世界に挑戦するもよし。
Aは風歌がジャニーズに入るのには難色を示すと思う。親のコネだの何だの叩かれるだろうし、Aは自分みたいな思いはして欲しくないだろう。