35話「出し物決め」 ページ38
「じゃあ、これから一個に絞っていきます。何か意見がある人いますか。賛成意見、問題点とかでいいんですけど・・・」
『あ、私あるわー。メイド・執事喫茶のメリット!』
そう言って最初に挙手したのは、さっきメイド執事喫茶の提案をした諏訪くんファンの派手な見た目の女子だった。
意見を出してくれるのは進行側としてはとてもありがたいので、そのまま話してもらうことにした。
「じゃあ、・・・お願いします」
名前を呼ぼうとしたが、超トリ頭と名高い脳内に、彼女の名前は入っていなかった。ちゃんと覚えておかなきゃなと思いながら、彼女を「どうぞ」と促した。
女子生徒は頷き、『えっとー』と続ける。
『人気があることっしょー、あと衣装が楽!女子はコスプレ借りりゃいいし、男はまあ、、、適当に着とけばいいっしょ』
『いや適当すぎだろ』
あまりに雑すぎる説明に、彼女の後ろに座る男子が突っ込み、そうだそうだと言わんばかりに周りからも声が上がる。けれど決して批判的ではなくて、むしろ楽しんでいるような雰囲気だった。
当の彼女もそれは分かっていたようだが、あまりに文句が多いことに苛立ったのか、
『うっさいわ!じゃあ意見出してみな!ま、私以上の意見なんてないだろうけど?ふふん』
『う、うぜええ』
『あんたより悪い意見出す方が難しいわよ』
『何い!!』
女子生徒が怒り、ますますクラスは盛り上がる。けれど、それ以上うるさくなることはなかった。
中央例の後ろから2番目の席から笑って立ち上がった男子生徒が、にこやかに立ち上がったからだ。
彼は笑顔を絶やさないまま、
『まあ、磯野の適当さはよく分かったから、出し物決めない?時間、なくなっちゃうよ。そしたら文化祭が悲劇のメイド執事カフェになっちゃうし』
『なんで悲劇なわけ!!?』
磯野と呼ばれた彼女が喚きまたひと笑い起きたが、今度はすぐにおさまり、自然に話し合いが始まった。
私は男子生徒と磯野さんの元に駆け寄り、「ありがとうございます。助かりました」と頭を下げた。
瞬間、「ぅえっ!?」という奇妙な声が頭上から聞こえ、思わず顔を上げる。
そこには、心底驚いたような表情の磯野さんと、先程と同じにこやかに微笑む男子生徒。
「え、あの・・・?」
驚かれた意味が分からず、首を傾げる。
すると、磯野さんに肩をガシッとつかまれ、顔がぐっと近づいてきて、
『アンタ、超いいやつじゃん!!!!』
36話「脳とコンピューターと磯野さん」→←34.5話「諏訪&深空」※イラスト
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あかり(プロフ) - ISLAYさん» ありがとうございます!!そうなんですよー!主人公よりかわいくあれ!と思って書いております←(^^ゞ (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
ISLAY - 諏訪くんって、可愛いですよね。 (2018年11月26日 9時) (レス) id: a0fdea4e50 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます^^イラスト集が完結した分、こちらの更新が亀にならないよう気をつけていく所存です!← (2018年11月24日 14時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - とっても面白いです!!イラストが完結してしまったのは寂しいですが、小説も応援しております!!∩^ω^∩ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 117c5ce46f (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!諏訪くん私も好きなんですよ~。ちょっと、いやかなり私の好みが組み込まれてます笑 (2018年10月28日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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