34話「案ずるより産むが易しってヤツだ」 ページ36
隣の諏訪くんによって半ば強制的に実行委員となった私は、しかし今さら断ることもできず、考えうる限りの悪態を内心で吐きながら諏訪くんと教壇に立っていた。
「──じゃあ、クラスの出し物を決めていきたいと思います。何か案がある人」
そう呼びかける私の横で、諏訪くんがチョークを手に取る。
実行委員をやるのは不安しかなかった。
なぜなら、私はクラスでは諏訪くんと一緒にいることが多いし(他にいないだけ)、
諏訪くんは顔だけは良く、しかもその変さが大半の女子(私と深空以外)にはバレていないので女子から人気もある。
そのことで私がクラスの一部女子からよく思われていないことぐらい、分かっている。
彼女たちは当然、私と諏訪くんが実行委員になったのも気に入らないはずで・・・
『はいはーい!二ノ瀬さん、私やりたいのあんだけど!」
「えっ?」
先頭を切って手を上げたのは、例の諏訪くんファンである中心人物の一人だった。
あれ、でもなんか・・・
「ど、どうぞ」
『やっぱ文化祭はメイド・執事カフェっしょ!』
普通だ。実に普通だ。
なんでだろう、いつもなら睨みつけてくるのに・・・ああ、そうか。
これも文化祭の力ってことか。
「諏訪くん、書き終わった?」
諏 「ああ。」
「じゃあ、次!何かやりたいことある人いますかー」
『あたし劇やりたいんだけど!』
『はいはい!縁日とかどうだよ!?』
『インスタ映えスポット!』
「ちょっと待って!一人ずつ挙手してください!」
声を張り上げながら、頬を緩める。
・・・案外、悪くない。
そう思ったことは、諏訪くんには絶対内緒だけれど。
諏 「・・・」
++++
「・・・よし。じゃあ、この中から決めていきます」
最終的にしぼられたのは、執事・メイドカフェ、インスタ映えカフェ、カレーカフェの3つだった。
明らかに最後おかしいのが混ざっているが、これは言うまでもなく諏訪くんの案だ。
カフェ系をやりたいというのはクラス全員で一致したので、この3つにしぼったのだけど・・・
「どうやって決めれば・・・」
諏 「一つ一つ、メリットとデメリットを考えていくのはどうだ?」
「あ、それいいね」
諏訪くんのアドバイスに従い、問題点や見所をみんなでまとめることにし、私はもう一度クラスメイトたちに向き直った。
34.5話「諏訪&深空」※イラスト→←33話「文化祭実行委員」
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あかり(プロフ) - ISLAYさん» ありがとうございます!!そうなんですよー!主人公よりかわいくあれ!と思って書いております←(^^ゞ (2018年11月26日 18時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
ISLAY - 諏訪くんって、可愛いですよね。 (2018年11月26日 9時) (レス) id: a0fdea4e50 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます^^イラスト集が完結した分、こちらの更新が亀にならないよう気をつけていく所存です!← (2018年11月24日 14時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - とっても面白いです!!イラストが完結してしまったのは寂しいですが、小説も応援しております!!∩^ω^∩ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 117c5ce46f (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - かぐやさん» ありがとうございます!!諏訪くん私も好きなんですよ~。ちょっと、いやかなり私の好みが組み込まれてます笑 (2018年10月28日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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